純米生もとCLASSIC 〜先人への敬意を込めて〜

 「純米生もとCLASSIC」。−CLASSICが意味するところは、この酒が古き良き伝統に敬意を払っているということであり、また古典として後世に残したい姿を強く意識しているということです。
近年、日本酒がどれもこれも淡麗化して面白みがなくなったという声が聞かれます。かつての醸造家たちが理想と考え、杜氏達が心血を注いでめざした酒は、そのようなスタイルとは全く違ったものでした。彼らは何よりも味わい深い酒、濃醇で力強く、それでいて洗練された清々しい後味の酒を追求していたのです。
 大七は、このような理想を決して古びたものとは思っておりません。それどころか世界に目を転じれば、今なおそれは醸造酒の理想とされる姿の核心を突いています。
 私共は、今まで以上にスケール豊かかつ濃醇な旨酒を、時間の制約なしに造り上げたいと考えました。なぜなら味わいに幅のある濃醇な酒ほど、熟成して円みを帯びるまで長い時間を要するため、通常の商品生産サイクルの中では不可能だからです。大七の平均的な貯蔵期間は約1年、純米生もとでは1年〜1年半と、すでに一般よりもかなり長いのですが、このお酒の場合はたっぷり2年〜2年半の熟成期間を待ち続けることになります。
 90年代後半から開始したこの試みは、千年紀最後の年に商品として実を結びました。 常温で召し上がっていただくと、どこまでも濃密に旨みが詰まっているかのような味わいで、従来の限界を超えて次々と合わせる料理の発想が浮かんできます。そしてお燗ともなれば、口の中での拡がり、ボリューム感は、他のどんなお酒も物足りなく感じてしまうほどです。冷たく冷やすとこの豊饒感が損なわれるため、お奨めではありません。
醸造する上で最も苦心したのは、十分濃醇に旨みを引き出しながら、鈍重さやざらつきなどは出さないということ。これは長期にわたる濃厚な仕込みの中でも最大限の活性と純度を失わない、精強な酵母群なくしては実現できません。これこそが生もとの力です。私共はこのお酒を、大七の生もと造りのひとつの到達点と考えています。

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